2011-08-28 乳房 (池波正太郎) #読書 池波正太郎著の「乳房」は鬼平犯科帳の番外編としてあるが、内容としては長谷川平蔵が長官になる前にさかのぼるお話である。 足袋問屋加賀屋治助方の女中のお松が、自分を棄てた男、勘蔵を殺害する事からお話は展開するのです。 勘蔵にさんざんもてあそばれて棄てられる時に言われた言葉「まるで、不作の生大根をかじっているようだ」がお松の脳裏から消えることはなく、加賀屋の娘、お千代のお供をしているときに偶然に見かけた勘蔵を自宅まで追跡し殺害するのであった。 長谷川平蔵が長官になっていく話と、回生堂薬舗 松浦屋の女将に出世するお松のサクセスストーリーが微妙に絡み合いながら進んでゆく、非常に面白いお話です。 男の家 阿呆鴉 十一屋語り草 倉ヶ野の旦那 再・十一屋語り草 五年後 [豆岩]の岩五郎 回生堂主人 縁 月夜饅頭 雑司が谷・鬼子母神境内