破獄（吉村昭）

脱獄囚、佐久間清太郎の生涯をノンフィクション的に描いた作品です。

本の解説

昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和23年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の4度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。

現代の刑務所を創造すると、えええぇ～～～　どうやって脱獄するのと思っちゃいますが、当時の刑務所は今ほどの頑強なものではなかった為、このような事が起きたのだろうとも感じる。
文章は脱獄と世相の繰り返しで進んでゆく。
途中で終戦を迎えるわけだが、それにしても超人的な人間であった事は間違いない。
たとえば札幌刑務所なんかは、３回も脱獄した人間を収容するわけですから、当然のごとく厳しい監視をする訳ですが、それでも脱獄してしまう。
とてつもない脱獄囚だったわわけですね。
流石に読売文学賞を受賞しただけの事はあります、面白いですよ。

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