麺を究める日記

麺の探求がライフワーク

手打ちそば屋 かんだた(長野市鶴賀権堂町2320)

日暮れ前に長野市の権堂アケードを中央通に向かって歩いていると、路地に煌々と輝く白い提灯が見えた。
店名の「かんだた」とは、芥川竜之介の「蜘蛛の糸」に出てくる登場人物の名前です。

 悪いことをしてで地獄にいるところを、蜘蛛の糸をたぐって、極楽まで登っていこうとする男の話です。「かんだた」は、自分ばかりが助かろうとしたため、途中で糸が切れ、再び地獄に落ちてしまうのです。

 当店の細めの蕎麦を、「細くて切れやすい」ということで、この話にかけさせていただきました。だから、蕎麦のメニューも、怖そうな名前が並んでいてすみません。
 皆様には。穏やかな気分で蕎麦を最後までたぐっていただき、極楽気分を味わっていただきたいと思っております。
                                           店主
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蕎麦屋の提灯である。
近寄ると提灯の下がっている場所から更に奥まった処にお店の玄関が見えた。
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青い小粋な暖簾を潜りお店に入る。
木をふんだんに使った作りであります。
店の女性に一人である事を告げるとカウンターにどうぞと言われる。
奥から二番目の席についてお品書きに目を通す。
先ずは生ビールの小をお願いした。
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豆の漬物と大根の煮物が出される。
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生ビールを飲みながらお品書きを見ていると、お勧め料理もありますよとボードを見せられる。
「自家製レタスと小エビのサラダ」と「自家栽培アスパラ」をお願いした。
そして、ビールの次は日本酒をお願いする。
何種類かの中から「帰山(佐久市)参番純米吟醸」をお願いする。
お品書きに味が紹介されている。
「長野の米と水にこだわり、造られた、強い印象を残す酒。
 その独特の酸味とコクの虜になった方も多いとか。絶妙なバランスのよさが魅力です。」
との事です。
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確かに酸味の利いた美味い酒ですね。
そして料理が出される。
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レタスが美味いですね。
流石に自家栽培の新鮮さが美味いのでしょう。
海老と蕎麦の実のハーモニーもなかなかのバランスであります。
太いアスパラも味が濃いですね。
甘い味噌と実に良く合います。
天然素材の拘りを十分に感じる料理です。
そして「帰山」を流し込む。
これは美味い。
料理を食べて日本酒を飲み干し、手打蕎麦をお願いした。
以下の通りお店の説明が書かれている。
当店のそばは 外二(そば粉10:つなぎ粉2) の割合で打っています。
主に北海道産と、長野県産の玄蕎麦を、当店独自の配合で挽いてもらっています。
軽いそばに仕上げるため、大きな石臼で、ゆっくりとそば粉を作っています。
そして運ばれてきた。
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砂糖を使わないそば汁
「かえし」は一ヶ月寝かせます。 

 もち米から作った「本醸造みりん」と、丸大豆から作る「天然醸造しょうゆ」をあわせ、カメに入れて「かえし」を作ります。 

 その「かえし」と、北海道産昆布、厚削りのかつお節、さば節から作った濃いめの「だし」をあわせて、「そば汁」ができます。

  「かんだた」の「そば汁」は、すべて天然素材、自然のおいしさです。
細切りの蕎麦をそのまま啜ると、香りを残し非常にのど越しの良いものでありました。
そして、こだわりの汁に三分の一ほど浸して啜る。
美味いですね。
角の取れた汁は蕎麦を引き立てます。
アッと言う間に蕎麦を食べ終えると、蕎麦湯がサッと出される。
最後に蕎麦湯を堪能しご馳走様でした。