手打そば 番町庵(青森県八戸市番町23)
二日目の夕食は、昼夜連食になるがそば屋に訪問。
何度も訪問している「手打そば 番町庵」さんだ。
少し急な階段を登る。
お店に入りテーブル席に着き生ビールをお願いした。
生ビールを飲みながらお品書きを見る。
「にしんの山椒漬け」とお薦めは無いか聞くと「真ツブの刺身とヒラメの刺身があります」と言われる。
「真ツブの刺身をお願いします」と言うと「今日はお高くなっていますが、宜しいですか」と言うので「良いですよ」と答えた。
先ずは、鰊が出される。
山椒の香が程よくていい味だ。
この味は、絶対に日本酒でなければ駄目です。
美味いね。
そして「真ツブの刺身」です。
うわぁ~ 美味しそう。
コリッコリで海の香が満載の甘みのあるツブの味。
何でこんなに美味しいのだろう。
濃厚な肝がまたたまらない。
「ほや塩辛」をお願いする。
直ぐに出される。
実に奇麗な色。
柚子胡椒を乗せて口に運ぶ。
これもたまらないですね。
この珍味も日本酒じゃなければ駄目だ!!
ご主人が出してくれました。
本利き猪口 一合にぴったりと注いでくれました。
そして、説明してくれます。
お酒じゃないですよ。
ご覧の通り受け皿と猪口の間に南部胡麻煎餅が挟んであります。
なるほどと思いながらもう一杯は「喜楽長 辛口純米吟醸」をお願いする。
本利き猪口を交換して煎餅の上に乗せる。
そして、お酒を注ぐ。
ピッタリ注ぐので、漫画の通りこぼしてから戴く。
喉越しの良いスッキリしたお酒だ。
お酒を半分程飲んだところで、煎餅を頂いて見る。
しっかりした煎餅はお酒ふにゃふにゃになるような煎餅ではなく、多少のお酒が溢れたくらいではびくともしない頑丈なものだった。
ご主人曰く「わざわざしっかりした煎餅を探してきたのだ」という。
まあとにかく、お酒をこぼした煎餅を食べてみる。
これは美味い。
日本酒に実に良くあうのです。
胡麻の風味が実に良い。
お店のご主人が、八戸から更に田舎で見つけた飲み方を店で始めたものらしいが、これは実に良いですね。
しかし、これが人気になったら料理が売れなくなるね。
酒の出し方に感動していると、ご新造さんの「いか天丼セット」が運ばれてきました。
真っ黒な天ぷらがご飯の上にたっぷりと乗っている。
辛そうにも見えるが、でも美味そうだ。
イカ天ぷらを一口食べてみると、コクのある良い天つゆだ。
ご飯にも合うだろうという天つゆ。
これは美味い。
私は「せいろ」をお願いした。
蕎麦屋の蕎麦という出立ち。
均等に切りそろえられ、洗練された蕎麦だ。
色も良いですね。
手繰ってそのまま啜ると、わずかに蕎麦の香が鼻に抜ける。
この微妙な風味が実に繊細で、蕎麦の好きな部分でもある。
汁で戴いてから、山葵を乗せていただく。
美味いですね。
大根おろしと山葵で。
七味も試します。
〆のそば湯をいただいて御馳走様でした。
良い料理と良いお酒。
そして、蕎麦が実に良い組み合わせです。
この上ない幸せですよね。
そして、南部胡麻煎餅には御見逸れしました。
日本酒の受け皿として、お摘みとして最高の逸品です。