麺を究める日記

麺の探求がライフワーク

漂流(吉村昭)

久しぶりの本情報です。
故 吉村昭先生の追悼本です。
随分以前に『大黒屋光太夫』と言う映画にもなった本を読んで以来の吉村先生の本であります。
傑作と言われていた本でしたので、読まなければと思いながら読まずにいました。
1700年代には海での遭難は非常に多かったらしい。
中でもこの実話は特異なものであったろう。
漂流後奇跡的にたどり着いた絶海の無人島は火山島で水も草木もない荒涼とした島であった。
その島は伊豆七島の更に先にある鳥島である。
食料は渡り鳥のあほう鳥を食べ命を繋いだが、島にたどり着いた4人のうち長平だけが生き残った。
島に一人取り残された長平は絶望に暮れ念仏を唱えるようになった。
それが生きながらえた一つの要因でもあったように思う。
その後、島に大阪船で14人、薩州船4人がたどり着くが6人が無くなる。
その後12年の歳月を費やし故国にたどり着く。
壮絶な小説であります。
面白かったです。
漂流(吉村昭
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